Apple iPod nano(第2世代)用にER-6i-BKを購入した.10日間電車通勤で利用した結果を書きたい.
ネット上で「音楽が鳴っていなければ無音」とかいう評価があるが,そんなことはない.個人的にその類の(誇大表現な)レビューにつられてER-6iを買ったクチなので,買う前の期待が大きかった分,使い始めの時点で正直がっかりした.もちろん,下に書いたとおり,ER-6iでも外の音は聞こえる.
購入時の付属品は
ER6I-18C:イヤーチップグレー2段フランジ(小)
ER6I-18D:イヤーチップグレー2段フランジ(大)
ER6I-18:イヤーチップグレー3段フランジ(中)(工場出荷時取付済)
ER6I-13E:イヤーチップフォームタイプ ベージュ
ER6I-50:フィルター2個
ER6I-45:フィルター交換工具
ER6-55:シャツクリップ(出荷時にケーブルのY字分岐部分に取付済)
ER6I-65:ロゴ入り小銭入れ型のキャリングポーチ(内側に網のポケットあり)
まあ,いろいろなイヤーチップを1セットづつ同梱してくれるのは,自分に合ったチップ選びが出来るのでありがたいね.
その他にER4-88(コードワインダー)をオプションで購入.
今まで使っていたaudio-technica ATH-CK7からの移行であるため,感想はATH-CK7を基準とした相対的なものになる.他に使っているヘッドホンといえば,自宅でテレビ視聴用に使っているaudio-technica ATH-A55しかないので,ヘッドホンに対する絶対的な評価なんて書けないし.
(1)ER6I-18:3段フランジ(中)での使用感
通勤時で荷物を持っているため,装着は片手で行う.人差し指と親指で耳たぶを後ろに引っ張り,中指でER-6iを押し込むと「するっ」と入る.この状態で2枚の鏡を使って耳を横から見るとフランジ部分は全く見えない.たまに音楽を鳴らしながら耳に押し込むと,音楽どころか周囲の音まで聞こえなくなる「無音」状態になることもあるが,これはイヤーチップの先端が鼓膜に触れたためだ.1ミリほど引き抜けば音楽を聴くことができる.
遮音性はATH-CK7より若干良い程度.だから,本ブログの以前のエントリで「ATH-CK7の遮音性が低い」と書いていたが,これは訂正せねばなるまい.10k~15k\のクラスで最高と言われる遮音性のER-6iより若干低いとはいえ,そこそこの遮音性を確保しているATH-CK7なのだ.ATH-CK7の遮音性は良い方と言ってもいいだろう.
ATH-CK7からER-6iに変えると,ER-6iの音は全域にわたってフラットに聴こえる.ATH-CK7とER-6iを交互に聴くと,ATH-CK7も低域は弱めながら出していることに気付く.逆に高域をブーストしてるのか?というくらい強めに出してくるので「ATH-CK7は低域がサッパリ出ない」という評価になるのだろう.
ただ,ER-6iがフラットといっても全般的にフラットというわけでなく,一部の曲でギターが妙に大きく聴こえることがあるので,実際にはちょっとクセのある味付けかもしれない.
それからER-6iは音場がしっかりしているのも特徴的.ATH-CK7だけを聴いていた時は気付かなかったのですが,ER-6iに比べてATH-CK7は中央の音の定位がしっかりしていない(ぼやけている)ように聴こえます.ER-6iだと目の奥あたりの直径数センチの球状の部分から音が鳴っているように聴こえるのですけどね.なぜ,同じiPodで同じ曲を聴いているのに,こういう聴こえ方の違いが出るのか理由はわかりませんが.
(2)ER6I-18D:2段フランジ(大)での使用感
装着方法は3段のものと同じ.耳から引き抜く時に鼓膜に負圧を感じる.装着時に外界と遮断(密閉)されていることが実感できる瞬間だ.いわゆる「耳の中が真空になる感じ」を味わうことが出来る.イヤーチップが鼓膜に届かないので,3段のものより使用感はいい.わたしの場合,このサイズが合っているのだろう.音質や遮音性は3段フランジ(中)とほぼ同じ.わずかに2段フランジ(大)の方が印象が良いくらい.
外界のノイズの聞こえ方は↓のようなもの.
・電車内や駅のアナウンス:聞こえる
・電車に乗車中,電車が発する走行音(レールと車輪から出る音):聞こえる
・駅で停車中の電車の補機類の音:聞こえる
・電車に乗り合わせたおばちゃんの会話:聞こえる
・コンビニ店員との会話;普通に可能(但し,ぼそぼそ喋る男性店員の場合は聞こえない)
・道を歩いている時に横を静かに通り過ぎる乗用車の音:背後から2~3メートルまで近づくと聞こえる(アクセルを踏み込んでいる乗用車ならもっと離れていても聞こえる)
・道を歩いている時に近くを走るダンプカーやトレーラーの音:聞こえる
※駅で停車中の電車の補機類の音は,近鉄名古屋駅で発車待ちの電車の音を評価しました.この駅は地下にあるため,コンプレッサー等の電車の補機類が発するノイズが目立って聞こえる場所です.
※乗用車は排気量の大きい2L以上の車種を指します.軽自動車は普通に走っていても結構エンジン音が聞こえますね.
(3)ER6I-13E:フォームタイプの使用感
プラスチック製の筒に低反発ウレタンが巻いてある.指先でフォームをつぶして細くしてから耳に入れると,ゆっくりと形が元に戻り耳穴にフィットする.フランジ(3段)→フランジ(大2段)→フォームと変えてきたが,このフォームタイプを使った時の衝撃は大きい.今までと同じ音楽がパワフルに鳴ってくるのだ.特に低域がしっかり鳴るようになる.
遮音性もフランジタイプより向上しており,音量を下げても今まで聞こえなかった音楽の細かい描写まで聴こえる.そりゃあもうER-6iって「こんなにもいい音を奏でるのか!?」というくらい音が違います.
外界のノイズの聞こえ方は↓のようなもの.
・電車内や駅のアナウンス:聞こえる
・電車に乗車中,電車が発する走行音(レールと車輪から出る音):聞こえる
・駅で停車中の電車の補機類の音:わずかに聞こえるが音楽が鳴ってしまえば気にならない
・電車に乗り合わせたおばちゃんの会話:聞こえる
・コンビニ店員との会話;可能だが男性店員だと聞き取りにくいケースがある(ぼそぼそ喋る男性店員の場合は聞こえない)
・道を歩いている時に横を静かに通り過ぎる乗用車の音:聞こえない.車に気付かないことがあり,追い越された瞬間にびっくりすることがある(アクセルを踏み込んでいる乗用車なら聞こえる)
・道を歩いている時に近くを走るダンプカーやトレーラーの音:聞こえる
フォームタイプは全般的にノイズの抑え方が上手いです.遮音はできなくてもユーザが感覚的に気にならないように抑えればいい,という印象ですね.装着も(押しつぶして)細くした上で突っ込むだけで済むのが楽ですし.