AmazonでBUFFALO AirStation WSR-1800AX4S/NBKを2台購入してメッシュネットワークを構築しました。価格は2台で15,600円(セール価格@7,800×2)。
NEC Aterm WG300HP(2014年購入)からのリプレース。古いNEC機と交換したことで、屋外での2.4GHzの到達距離が伸びました。
今まで圏外だったトタン張りの車庫の影にもWi-Fiの電波が回り込むようになりました(以前は影に入るとスパッと圏外になっていたので、見通し範囲だけに電波が届いている感じでした)。
バンドステアリングLite、EasyMeshとも軽微な不具合はあるものの稼働はしており、ユーザが何も意識することなくスムーズに切り替えできています。不具合についてはサポートに問い合わせ中(後述)。
ネットでは評判の悪いバンドステアリングですけど、問題なく使えたのでとても便利。何しろ優先的に5GHzで接続できるようになったので電子レンジが間近で稼働しても通信が切れません。
今回のWi-Fiルーター購入条件は以下のとおり。
1)壁掛け設置なので、ステータスランプが見えるように側面にステータスランプがついていること
2)メッシュWi-Fiに対応していること(2台購入)
3)複数のSSIDをサポートしていること
4)バンドステアリングに対応していること
5)Wi-Fiルーターの設置場所は木造戸建ての1階と2階
6)同時利用人数1人
7)Wi-Fiで接続する端末は、古いiPad、古いiPhone、Androidスマホ、自宅駐車場のトヨタT-Connectナビ(2.4GHz)なので、最大2ストリームあれば十分
8)購入は手持ちのAmazonギフトで行う
当初はステータスランプが側面に付いているNEC Aterm WG1200HP4 が内定していましたが、Amazonでの取り扱いがなく、バッファローの2ストリーム機を購入しました。
WSR-1800AX4Sを壁掛けにするとランプが見えないため、壁掛けをあきらめてホームセンターでWSR-1800AX4Sのスタンドと同じ幅(7センチ)の加工材を買ってきてネジ止めしました。
ランプが見えるようになっただけでなく、多分ですが壁掛けより周りが開けたので電波の飛びも良くなります。
実際に車で自宅から走り出すと、窓ガラスを挟んだ見通し範囲という条件で、車載のT-Connectナビ(2.4GHz)と自宅2階に設置したWSR-1800AX4Sは140m離れてものリンクは切れませんでした(その先は車が建造物の影に入るのでナビの接続先がモバイルルーターに切り替わる)。
本機の購入後にNECが新型のWi-Fiルーターを発売しましたが、ランプはバッファローと同じ正面に設置されるよう変更されました。
Wi-Fiルーターがどう設置されるか工業デザイナーがどこまで考えているか分からないけど、ランプが正面からしか見えないのはデザインとしてよろしくない。
本機が棚とかに設置されることが多くて正面からランプが見えればOKなのだろうけど、壁掛けが想定されているなら側面からもランプが見えるよう導光板を配置してほしい。
下の写真はケーブルインターネットからレンタルしている住友電工 BCW625J モデムの写真だけど、縦置き、横置き、壁掛けでもランプが見えるよう角に導光板を配置している。
モデムがどう設置されるか想定されている点で、このモデムのデザイナーはデキるヤツだと思う(シール貼ってあるのは無視してくれ。字が小さすぎて読めないのだ)。
本機を使って意外だったのは、Wi-Fiの通信中にランプが点滅しないこと。
NECのWi-Fiルーターや、昔使っていたバッファローの卵形Wi-Fiアクセスポイント(WLA-G54)は通信中にランプが激しく点滅してアピールしていたと記憶していますが、本機は正常通信中なら点灯、エラーなら点滅するだけです。
最近の客は激しく点滅すると嫌がるらしいので仕方ないことなのでしょうが。
そういえば、最近の法人向けWi-Fiアクセスポイントも激しい点滅はしていない気がしますね。個人的には激しく点滅する方が頑張って働いてる感があって良いのですけど。
本機の設定について
2022年1月下旬の購入時点でファームウェアがVer.1.02(R15.75/B1.04)だったので、開封してすぐにVer.1.03(R17.84/B1.04)にオンライン更新。
メッシュネットワークは割と簡単に構築できました。コントローラ(親機)の設定が終わったら、エージェント(中継器)となるWSR-1800AX4Sの背面スイッチをMANUAL、WBにセットして、LANケーブルでコントローラに接続するだけです。実際にはエージェントを固定IPアドレスにするのと、省電力スケジュールを設定していますが基本的に何もしなくても使えます。
固定IPアドレス運用にすると、ブラウザでWi-Fiルーターの管理ページをブックマークできるので(頻繁にログを見たい人には)便利です。
コントローラとエージェントをLANケーブルでつなぐのは初期設定の時だけで、運用時はコントローラとエージェントの間(バックホール)をWi-Fi(5GHz優先)で中継します。
本機の購入に先だって自宅のWi-Fiの混み具合をApple公式のAirMacユーティリティアプリで確認していました。
[設定]>[AirMac]>[Wi-Fiスキャナ]をオンにするとWi-Fiスキャナが使えるようになります。信号の強さがdBm表示されます。以前から隣家がバッファローのWi-Fiルーターを導入しており、36chを使用している事が分かっていました。
以下は自宅でのWi-Fiスキャナの実行結果です。
近所の企業がWi-Fi使いまくっているのか5GHzもまんべんなく混んでいます。これを踏まえた上で、設定を詰めます。
コントローラ(親機)の設定は、取説で背面スイッチをAUTO(自動判別)にするよう指示されていますが、AUTOはネット上でトラブルが多いと書かれていたので、最初からMANUAL、ROUTERを選択して自分で設定しました。
できるだけバッファローの出荷時設定を生かすようにしたかったので、引っ越し機能は使いません(Wi-Fi端末の設定はやり直しになります)。
プロバイダがケーブルインターネットでIPv4のみのサービスなのでIPv6はオフ。
SSIDは2.4GHzのみサポートのWi-Fi端末が存在するので、「2.4GHz専用」と「2.4GHzと5GHzの両方に対応」する二種類を設定します。
SSID1は2.4GHzのみオン(5GHzはオフ)。WPA2 Personalを選択。
SSID2は2.4GHzと5GHz両方に対応した端末向けに「バンドステアリングLite」をオン、WPA2/WPA3 Personalを選択。
5GHzの倍速モードは80MHz(出荷時設定)のままだと隣家の36chとぶつかっているにもかかわらず、本機も自動的に36chを選択してしまう。本機が自動的にW53に逃げなかったので、倍速モードを40MHzに変更。すると本機は自動的に40chに逃げました。
自動設定のチャンネルは(W52が混んでいても)W52から選ばれるようです。
最終的には自動設定のチャンネルが近所と競合して良くなかったので、2.4GHz、5GHzとも手動でチャンネルを選択しました。
5GHzはW53を選択しています。空港から30km、名古屋地方気象台から20kmの位置ですが、DFSによるチャンネル変更等の影響はありませんでした(名古屋地方気象台の気象レーダーは5360MHzなのでW53のちょい上)。
手持ちの機器の帯域幅は、古いiPadが40MHz(MIMO2×2で300Mbps)、古いiPhoneが20MHz、Androidスマホは80MHz(1ストリームで433Mbps)です。
5GHzの倍速モードを80MHZと40MHzのどちらにするか決めるため、倍速モードを切り替えながらこれらの実機でWi-Fi速度を計測しました。
Wi-Fi端末とWi-Fiルーター(アクセスポイント)間のWi-Fi速度を計測するアプリはWi-Fi SweetSpotsを使っています。このアプリは上り(Wi-Fi端末→Wi-Fiルーター)の片方向だけ計測します。
今後、iPadやスマホを買い替えていくことを考えれば、倍速モード(帯域幅)80MHzを選びたいところですが、日本の電波法の都合で帯域幅を広げるとWi-Fiの出力が下がって到達距離が短くなるデメリットがあります。通信品質と到達距離のバランスを考えて5GHzの倍速モードは40MHzを選択しました。
コントローラでWPS、悪質サイトブロック・情報漏洩ブロック、UPnPは使わないのでオフ。
エージェント(中継器)は、リビングのテレビの近くに設置するため省電力スケジュールでAM0時~6時にスリープ(ランプ、有線LAN、無線LANすべてオフ)、AM6時~24時はランプオフ(それでもPOWERランプだけは点灯する)、有線LANはテレビに接続する運用。
エージェントでも悪質サイトブロック・情報漏洩ブロックはオフ。
バッファローのサポートに、バックホールがWi-Fi接続のエージェントがスリープ中だった場合、ファームウェア自動更新(出荷時設定はAM4時台)は実行されるか質問したところ「スリープ中は実行されない」との回答だったので、ファームウェア自動更新をAM11時台に変更。
余談になりますが、コントローラのようにINTERNETポートが有線で接続されている場合、スリープ中でもINTERNETポートは低速で動作しているのでファームウェア自動更新は実行されるとの回答でした。
以下は、実際のエージェントの省電力スケジュール。曜日毎にスケジュールを変えられます。
本機で起きている不具合
※不具合についてバッファローのサポートと現在進行形で対応中です。そのため追記ばかりで読みにくくなっています。すべて解決したら整理して書き直します。
(1)エージェント(中継器)の省電力スケジュールでランプオフにしているのに、WIRELESSランプが「橙→緑→消灯」の点滅を繰り返す。この現象はコントローラ(親機)でWPSをオフにしていると発生します。コントローラのWPSをオンにすると、エージェントのWIRELESSランプは「緑と橙」の繰り返しで点滅します。取説によればメッシュネットワークへ未接続とのことですが、正常に接続して中継もできています。正常に動作しているのにエラーのランプが点滅するのはおかしい。
→詳しく検証していくと、エージェントの省電力スケジュールがユーザー定義モードからスリープに移行する時点で点滅を始めてしまうことが判明しました。その後は省電力スケジュールに関係なく、エージェントを再起動するまで点滅状態を継続します。
→さらに追加の検証として、設定ファイルの保存と復元を使って、コントローラとエージェントの本体(ハードウェア)を入れ替えてみました。
入れ替えたエージェント(元コントローラ)でも、省電力がユーザー定義モードからスリープに移行する時点でWIRELESSランプが緑と橙の点滅になりました。入れ替えたコントローラ(元エージェント)では、省電力が通常動作からユーザー定義モード(ランプ:オフ、LAN有線:エコ、LAN無線:通常)に切り替わる時点でWIRELESSランプが正常に消灯しました。
以上のことから、エージェントのハードウェア故障で緑と橙の点滅になっている可能性は低いと考えられ、同型機に設定ファイルを復元すればランプ点滅の再現性があることを確認しました(バッファローのサポートにも連絡済み)。これは設定ファイルをバッファローのテスト機に復元してもらえば、現象を再現可能だと思うのですけどね。
(2)エージェント起動直後の時刻合わせ(NTP)が「NTP Connection Failed」になって、ステータス画面のエコモードに「エラー(時刻が取得できません)」が表示されます。経過観察していましたが、スリープ開け直後のNTPが失敗するのは再現性が高い(ログを調査したら80%失敗している)ことからサポートに投げました。この程度なら時刻合わせの頻度を上げてやれば運用回避できるので、時刻合わせの間隔を24時間(出荷時設定)から17時間に短くすることで回避できています。間隔を17時間にしたのは(a)AM0時~6時のスリープ中は時刻合わせできない、(b)特定の時間に時刻合わせが集中するのを避けたいので更新間隔時間に素数を指定したい、(c)タイムサーバへの負荷軽減のため時刻合わせの頻度はできるだけ下げたいが、最低でも1日に1回は時刻合わせしたい、という理由から。
数日テストしたところ、スリープ明けの朝6時に時刻合わせが自動実行されるので、素数を指定しても特定の時間に時刻合わせが集中するのは変えられませんでした。現在は朝6時と17時間後の23時に時刻合わせが実行されます。
(3)エージェントのWi-Fi(2.4GHz)の倍速モードがステータス表示では20MHzなのに、Wi-Fiアナライザで見ると40MHzで動作している。本来はコントローラのWi-Fi設定(倍速モード:20MHz)をエージェントが引き継ぐ仕様なので、エージェントも20MHzで動作しないといけない。
エージェントで「(3分かかる)再起動」を実行すると倍速モード40MHzで起動してくるが、エージェントで「(25秒かかる)再スタート」を実行すると40MHzが20MHzに切り替わって正常に動作し始める。
エージェントだけ発症するので、開発時のチェック漏れかな(コントローラがOKだから、エージェントも同じ結果だろう的な)。
→バッファローから現象を確認したとの回答がありました。ファームウェアの改修を検討するとのこと。家庭向けとはいえ「免許のいらない小電力無線局」ですので総務省に睨まれないうちに早く直るといいですね。
ファームウェアをVer.1.04に上げると、ステータス表示では倍速モード40MHzなのに、Wi-Fiアナライザで見ると20MHzで稼働することが多くなった。ファームウェアの更新内容には関係ないはずだが、挙動が変わってしまった。
(4)(ファームウェアバージョン1.07あたりから)コントローラの有線LANに接続したPC(Windows 10)のネットワークのプロパティでJumboPacketを9014Byteに変更すると、コントローラの[ステータス]>[通信パケット]でエラーパケットがカウントされるようになる。標準の1514Byteならエラーパケットはカウントされないため、1514Byteの指定で運用するなら問題はありません。
(5)SSID2(バンドステアリングLiteをオン)において、コントローラとエージェントの両方でMACアクセス制限を設定している場合、エージェント側でMACアクセス制限が正常に動作しません。そのため、MACアクセス制限に登録されていない機器でもSSIDの設定が正しく行われていればエージェントに接続できてしまう。言うまでもなくSSID2はWPA2/WPA3の認証があるのでセキュリティ上の問題はありません。そしてMACアクセス制限は廃要素(今後使われなくなる)といってもいい機能ですが、ちゃんと動作するかテストするユーザーもいるのでメーカーは気を抜かないでほしい。
これは不具合ではなくEasyMesh(Wi-Fiの中継)を邪魔しないよう、こんな仕様にしている感じがします。
(6)コントローラの省電力でLAN側有線を「エコ(低速動作)」に設定すると、省電力の時間帯にWAN側も100Mbps動作になります。省電力(100Mbps)から通常動作(1Gbps)に復帰する際に瞬間的にリンクダウンしますが、その後にリンクアップしないことが多々あります。30分以上リトライを繰り返してもWAN側がリンクアップできないときは、手動でWi-Fiルーターを再起動してリンクを確立させますが手間がかかって面倒です。
→暫定対策として有線の省電力をやめました。回線を安定運用する方が重要ですし、そもそも有線の節電効果は薄いので。
バッファローのサポートから調査のため設定画面のスクリーンショットを求められますが、Google Chromeのデベロッパーツールを起動して[フルサイズのスクリーンショットをキャプチャ]を選択すれば縦長の画面でも一発でキャプチャできます。バッファローのサポートにアップロードできるファイルサイズが小さいので、この方法でスクリーンショットを取得するのがおすすめです。
バッファローのサポートも調査してくれているとは推測しますが、不具合がメーカーのテスト環境で再現できたか、できなかったかの結果報告くらいはあってもいいと思います。報告すら何もないと「それは仕様です」とか「対応方法は検討中です(永遠に検討中だけどナ)」で押し切られた気がするので。