秒速5センチメートル
アニメとしての理想型を具体化した作品と思う.
実写ぽい緻密な背景にProduction I.G作品を連想しました.いや,劇中で何度か入る鳥が飛んでるシーンで押井守作品を連想するべきでしたか.ただ,それらの作品よりこの作品の方が観ていて疲れないので,わたしにはこっちの作品が合うようだ.
桜花抄と秒速5センチメートルが遠野貴樹(cv.水橋研二)視点,コスモナウトが澄田花苗(cv.花村怜美)視点の作品ですが,作品の根っこの部分は男の目線でできてますね.当然,この作品世界にひたってしまうのは似たような経験を持った男性であるわけで.女性視点だともっとサバサバした終わり方になったでしょうね.
三編目の「秒速5センチメートル」の遠野貴樹のセリフ「この数年間,とにかく前に進みたくて,とどかないものに手を触れたくて,それが具体的に何を指すのかも,ほとんど脅迫的ともいえるようなその想いが,どこから湧いてくるのかも分からずに僕はただ働き続け,気付けば,日々,弾力を失っていく心がひたすら辛かった.そしてある朝,かつてあれほどまでに真剣で切実だった想いが綺麗に失われていることに僕は気付き,もう限界だと知ったとき,会社を辞めた.」
こういうの30歳過ぎた頃に一度くらい考えますよね.ああ,今だと,辞めた,より辞めさせられる方が多いですか.
「秒速5センチメートル」で山崎まさよしの「One more time, One more chance」にのせていろいろなカットに切り替わって,ラストは踏切のシーンにつながるのですが,そのちょっと残念なラストシーンで「鉄のラインバレル」の牧吾郎のセリフ「今,ちょっとカッコいいって思ってるだろ?自分のこと.通じないよ.そういうの.年頃の女の子にはね.」を思い出して苦笑い.
3/9のNHK-BS2(アナログ)アニメ映画劇場で「桜花抄」,「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の三編を視聴.
2007年.
新海誠監督.
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