NHK 爆笑問題のニッポンの教養(爆問学問) FILE036:世界を支配する「ちいさな」話
この回は爆笑問題が高エネルギー加速器研究機構に出かけて素粒子の話を聞くのだけど,太田光の着眼点がユニークだった.わたしは視聴しながら太田光の言わんとしていることを理解していたのだけど,この回の「対戦相手」橋本省二准教授はピンと来てない感じがあった.やはり,学者なのか理詰めで太田光の話を解釈しようとして「こいつは何言ってるんだ?」みたいな顔をするんですよね.
加速器と聞いて思い出すのは攻殻機動隊で名前の出てきたSPring-8だけど,今回の高エネルギー加速器研究機構とは場所が違う.
最初に加速器の模型(電磁石で鉄球が回る)のシーンで「じゃ,今このでっかいヤツでこうやって(ボタンを押して)やってんですかね.」というギャグも入れてくる反面,欧州のLHCで「ミニブラックホールができる」という反対運動が起きているという真面目な話題も入れてきた.この反対運動は最近のネットニュースでわたしも知っていたので,ちゃんと下調べして番組を作っているんだなと感心しますね.こういう番組は,騒ぐだけしか能のないタレントを使いたがる民放じゃ作れません.
対話中,橋本省二の後ろの本棚にプログラミング関係の本(オライリーの動物本とか)がいっぱいあったのが印象的.
番組中「真空は空ではない.何かが詰まっている」というフレーズが出てくる.その「何か」がクォークと反クォークというもの.これが今回のキモなんだが,ここがちょっと理解しにくい.ホワイトボードにいろいろ描かれているのだけど,その説明が番組的にカットされたので,ちょっと残念.
ここが理解しにくいのは「真空は何もない」という今までの常識にとらわれているせいもあるけどね.
個々の人が感じる時間の流れ方が違うのは,本当に時間の流れが違うという「法則(仮説)」のシーン.
太田光の話(仮説とか)に先生が興味を持てないのは,先生にバックボーン(知識)があるから.しかし,太田光にはその知識がないから「なぜ,(太田光の仮説に)先生が興味を示してくれないのか分からない」ということになる.だったら,先生が興味を持てない理由を太田光が知ることができれば,太田光が先生の研究していることをもっと理解できることになる.と,いった話があったが,確かにそのとおりだ.これはすごく共感できる部分だった.