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エルダー選はこれといった選挙活動もなく宮小路瑞穂(cv.堀江由衣)にあっさり決まる．開票時に厳島貴子(cv.たかはし智秋)とはひと悶着あったものの，十条紫苑(cv.松来未祐)の「鶴の一声」でそれも解消してしまう．個人的には選挙で2,3週くらい引っ張ると思っていたので拍子抜けです．

世界史の授業で厳島貴子の隣席になる宮小路瑞穂．敵意むき出しの厳島貴子に，敵意の無い宮小路瑞穂は親しげに会話します．傍目に見ても宮小路瑞穂の方が余裕ありげに見えてしまいますね．このシーンの後，厳島貴子は生徒会室で菅原君枝(cv.木村まどか)の選挙活動を叱るのですが，1回目の視聴では「(不利な選挙戦に)焦りから当り散らしている」と思いました．2回目の視聴で「エルダーは生徒から支持されて選出されるべき」という真面目な考えで叱ったことに気付きました．真面目で伝統を重んじる厳島貴子らしい考え方です．いい娘なんだけど，曲がったことが嫌いというか，頑固なんだな．

開票時に厳島貴子が異議を唱えるシーンは妙に動いたね．これも1度目は異様に観えたけど，2度目に観ると演出的に「動」の厳島貴子と，「静」の十条紫苑の対比だとわかります．
十条紫苑の長ゼリフ「エルダーの資格は複雑なものではありません．その原動力は生徒の自主的推薦であり，それに伴う憧憬です．大事なことは，ここにいる瑞穂さんが，絶大なる支持を得たという一点の事実のみ．それこそが皆の憧憬となるエルダーの本質であり，また唯一の必須条件ではないでしょうか．どうか他校からの転入者であるなどという不寛容な理由で，本来の投票結果を歪めるがごとき行為を正当化しないで頂きたいのです．私はそれをこそ許容することは出来ません．」は良かったなあ．折れそうで儚い声だけど，一生懸命に気持ちを伝えようとする喋り方．グッとくる場面です．まあ，中の人の声質がいいからという理由もあるんですけど．
それにしても十条紫苑の異様な影響力の強さの理由は何でしょうね？新エルダーとなった宮小路瑞穂は，他の生徒からみて「親しみやすいお姉様」．それに比べて，入院のためエルダーらしい活動が出来なかった筈の十条紫苑は「近寄りがたい高貴なエルダー」という空気を持っています．ほとんど別次元と言っていい．