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話が良くなかった．内容が薄いのだ．キャラクターが動くための「動機付け(キャラ内面の掘り下げ)」がしっかりしておらず，観ている方は個々のキャラに感情移入しにくい．

六条深雪(cv.野田順子)は，ミアトルから毎年エトワール選に候補が出ているのに，今年だけ出さないとは言えない，という無茶苦茶な理由で涼水玉青(cv.清水愛)と蒼井渚砂(cv.中原麻衣)を候補に選ぶ．それじゃやっつけ仕事だよ．本当の六条院の姫君なら，そんないい加減な仕事はしない．絶対に負けない布陣をしいてエトワール選に臨む筈だ．それでもめぼしい候補がいなければ(負けると分かっているなら)，元から参戦すらしないだろう．

源千華留(cv.中島沙樹)も「何でもこなす才女．もしくはいいお姉様」という描かれ方で留まっている．偶に見せる表情から策士ぽい印象も見え隠れするけど，小説版やコミック版ほどの策謀策術を巡らす見せ場がないため，キャラ的には物足りない印象．この話では，マフラー兼パペットの人形劇で声色を使い分ける芸達者として描かれているが，出番はそれだけ．
あくまでミアトル対スピカというストーリーの添え物か，シーンチェンジ時に挟み込まれる小ネタという，もったいない使われ方をしている．

全体的には良くない出来だったが，温室での花園静馬(cv.生天目仁美)と蒼井渚砂のシーンと，翌朝の花園静馬が荒れるシーンだけはそこそこ良かった．ただ，花園静馬はそんなに弱い子じゃないと思うのですけどね．

最後の鳳天音(cv.甲斐田裕子)の落馬シーンは強引だな．エトワール選で弔い合戦でもするつもりか？