最終回だけに気合の入った作りでした.とてもいい作品でしたね.なんといってもわたしを鬱にさせるくらいですから. ICUから出てきた後の谷崎亜希子(cv.小平有希)の喋り方,声に抑えた感情をのせるのが上手いです. 戎崎裕一(cv.鈴村健一)に東病棟への立ち入り禁止を言い渡す夏目吾郎(cv.平田広明).戎崎の方を見ませんでした.そこに夏目の心情というか無力感が出ています.こういう描き方もあるんだね.
Bパート.谷崎に自分の昔話をする夏目.「戎崎もそっくり同じ目にあうことになる.里香の病気に完治は無い.どんな犠牲を払っても,いつか全てを失っちまうんだよ.」ここまではわたしも一視聴者として夏目の話を聴いていました. 「ふっ,それがなんだよ.」って谷崎が言った時,わたしは「何?」と思い,ここから夏目と同化します.画面に向かって訊きました「どういう意味だ?」と.ええ,夏目と同じセリフです.この後,わたしは夏目になりきってましたよ.
最後,「こっち来いよ.(戎崎裕一)」の後,「お前が来い!(秋庭里香(cv.高橋美佳子)」て言われた時は画面観ながら「はあ.(´Д`)」て顔しました. ツンデレが流行りだねえ.
「お前さ,運命とか未来とか,押し付けられるもんだと思ってねえか?お前次第なんだよ.運命も未来も.こっぱずかしいと思ってるんだろうがな.逃げることなんて出来ねえんだよ.俺たちはこっぱずかしい場所で,こっぱずかしく生きるしかねえんだ.運命や未来が思うとおりに行きそうになければそれを否定しろ.捻じ曲げろ.出来るかもしれねえし.出来ねえかもしれねえ.だけど1%の可能性にでも賭けてみろ.分かるだろ?里香のためだと思えば何でも出来るだろ.本当にほしいものは掴み取れ.お前の両手はそのためにあるんだぜ.」夏目のいいセリフです.長いけど. このセリフを10年前に聞いていたら人生変わってたよなあ.ええ,わたしは多田のじいさんと同じでしたよ.ああ,「でした」じゃなくて今もですけど.
はい,掴み取るべきときに,こっぱずかしくて出来なかった人がここに一人.
だって社内だからね.昔の夏目みたいなあからさまな邪魔も入ったし(しかも邪魔するヤツがお局さまだから始末が悪い.睨まれたら最後,会社にいられなくなるしね).だから,手出し出来なかったですよ.でも,それは自分を納得させるための言い訳なんですよね.正直に言えば「こっぱずかしいと思ってたから」ですよ.
たぶん,両手でしっかり掴んでいればうまくいったのだろうけど.
ま,その好きだった娘も既に他の男と結婚しちゃいましたけどね.
で,昔のいろいろなことを思い出したために,無力感から鬱になりました_| ̄|○